症状により用量・服用期間が異なる
ネキシウムは様々な胃のトラブルの治療に利用されますが、どのような症状が出ているかによって用量・服用期限が細かく決められています。
効き目が弱いと回復までに時間がかかり、服用期間が長期化してしまいます。
逆に効き過ぎて胃酸分泌が強く抑制されると、消化不良により消化器系の副作用の原因となる可能性もあります。
症状に合わせて決められた用法・用量にきちんと従いましょう。
10mg・20mgといった数字はネキシウムに含まれる有効成分の量であり、ネキシウム自体の重さではありません。
「ネキシウムカプセル10mg」も「ネキシウムカプセル20mg」も大きさや重さはほぼ同じです。
「20mgを服用」と書いてある場合は「ネキシウムカプセル20mg」であれば1錠、「ネキシウムカプセル10mg」であれば2錠飲む事になります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍など
消化器に潰瘍がある場合には20mgを1日1回服用します。
胃潰瘍・吻合部潰瘍の場合は8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間まで継続服用できます。
逆流性食道炎
逆流性食道炎の場合も20mgを1日1回服用します。
継続服用は基本的には8週間までです。
再発防止には
逆流性食道炎は再発しやすい症状のため、完治した後も予防策としてネキシウムの服用を長期的に続ける場合もあります。
胃酸の分泌量に合わせ、10mg~20mgを1日1回服用していきます。
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非びらん性胃食道逆流症
「非びらん性胃食道逆流症」は、胃酸の逆流が起きているが逆流性食道炎のようなただれや炎症の起こっていない比較的軽度な症状です。
そのため、ネキシウムの服用は10mgを1日1回と少な目です。
4週間まで継続服用できます。
ピロリ菌の除菌補助
ネキシウムはピロリ菌の除菌の際にも利用されます。
ネキシウム20mgの他に、抗生物質である「アモキシシリン水和物」を750mgと「クラリスロマイシン」200~400mgを一緒に服用します。
これを1セットとし1日2回、1週間の服用で8割以上の確率で除菌が成功すると言われています。
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除菌できなかった場合
上記の方法で除菌に失敗した場合はクラリスロマイシンを「メトロニダゾール」250mgに置き換えて、もう1週間除菌を継続します。
1回目で除菌できなかった人も、ほとんど2回目の除菌で成功します。

10mg・20mgって成分の量の事だったんですね。
ネキシウムはいつ飲めば良いの?
ネキシウムは飲むタイミングについては定められていません。
食前・食後などの指示がある薬は食事や胃酸の影響を考慮しているためそのような指示がされています。
ですが、胃酸過多になっている人は空腹時でも胃酸の分泌が行われている場合も多いため、服用のタイミングを決めていてもあまり意味がないのかもしれません。
自分が飲み忘れしにくい時間を決めて、毎日同じ時間に飲み続けるようにしましょう。
ネキシウムは基本的には1回飲めば丸1日効果が持続するので、服用時間がバラバラだと効き目にばらつきが生じてしまい良くありません。
朝起きて外出するまでの間に服用する方や、夕食後や寝る前に服用する人が多いようです。

枕元や洗面所など、目につく場所に置いておくと飲み忘れ防止になります。
飲み忘れた場合は?
その日のうちに飲み忘れに気付いた場合は、なるべく早く服用しましょう。
翌日になり次の服用時間が近い場合は1回飲み飛ばしてしまってもかまいません。
飲み忘れた分をまとめて飲んだり、服用の感覚が短くなり過ぎると効き目が強く出てしまうので身体に良くありません。
ネキシウムのような1日1回服用する薬であれば、服用の間隔が8時間以上空いていれば問題はないとされています。
夜飲むはずだったのに忘れてしまい、翌日朝に気付いた場合はその時点で昨晩の分を服用しましょう。
その日の夜はいつもの時間に飲んで大丈夫です。

夜飲むはずだったのに忘れてしまい、翌日の夕方頃に気付いた場合の方法は2つあります。
まず1つ目の方法は、昨晩の分は1回飲み飛ばしてしまうというやり方です。

2つ目の方法としては、すぐに1回分服用し、その日の夜は間隔が近すぎるので飲まずにやり過ごします。
翌日朝に前日の夜の分を服用すれば、その日の夜は8時間以上空いているはずなので通常通りの時間に服用しても大丈夫になります。

2つ目の段階的に戻していく方法は少しややこしいので、飲み飛ばしても我慢できそうな場合には飲み飛ばしてしまった方が手順としては簡単です。

ちょっとややこしいような…。
要するに1回くらいなら飲み飛ばしても問題ないんですね?

そうですね。
過剰摂取が1番危険なので、迷った時は1回分飲み飛ばした方が安全ですよ。
正しく飲んで確実な治療を!
ネキシウムが胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に効果的なのは、胃酸の刺激を減らし患部を守るためです。
ネキシウムそのものには患部を直接修復するはたらきは含まれません。
そのため、「たくさん飲めばそれだけ早く治る!よく効く!」という考えは間違いです。
用法・容量を守っての服用であれば身体にかかる負担は最低限で、確実な効果を得る事ができます。
ネキシウムの投薬治療では、傷付いた粘膜の修復は自身の治癒能力にかかっています。
ネキシウムの服用はもちろん、規則正しい生活リズムやバランスの良い食事などにより免疫機能を高め早期回復と再発防止に努めましょう。
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ネキシウムに頼りきりになるのではなく、飲まなくてもいい身体づくりも同時に行ってくださいね。